何故、マイドーム大阪に会場を移すのか

企業の歴史の中で繰り返される転機

企業は絶えず転機を迎え、変革を繰りかえしていく。社会環境が変わり、その結果としてクライアントも変化していくのだから、企業が姿を変えていくのは当然といえる。
その小さな転機や大きな転機を経て、企業は進化につながる新たな体制に再編するチャンスを掴むことができる。小さな転機がもたらす環境変化は、各企業の事情によるが、大きな転機は業種業界、あるいは社会全般に影響を及ぼす国策、経済、技術が変化することによってもたらされる。その時々で、それぞれの企業が対応策を考えていかなければならない。
 企業の歴史の中で繰り返される転機を、何時、誰が、どのような形でキャッチするかに関心が寄せられるが、あわせて迅速な決断と対応努力が求められることにもなる。経営を預かるトップの苦悩と、その行動に呼応する協力企業の支援や、苦闘する企業の動きに同調して次第に結束を強める社員の力、こうした人的パワーを得た企業が自社の価値性を意識した時、次に起こるいかなる転機・変革をも乗り越えていく強さを秘めることになる。
1990年以降の印刷需要の減少や、近代化構造改善から経営革新支援法への国策変化、インターネットを軸とする電子メディアの台頭とモバイルマーケティングへの移行など、ただならぬ変化の時代を迎えた経営環境の中での経営者には、直観的先見性と対応実行に向けた強い意志が求められていく。企業は、利益の最大化をはかるために、需要と供給のバランスを取ることを最大の課題とするが、急激に、そして継続する環境変化に対しては、経営者トップの考えだけではなく、複数の協力者の存在が必要にもなる。
 急激な変化への対応は経営者と、個人的に社内環境についての見識を持ち、印刷業界を越えた社会常識や慣習に精通し、コンピュータテクノロジーにも興味を持つ個人の能力や、同時に企業のありようには無目的な一般社員の個性が、課題解決への糸口を探し出していく。
 社員それぞれの個性を際立たせ、明確な主張に変えていく気配りをしながら、1つの方向にまとめていく繰り返しの努力が求められる。そうした環境の中でなら、社員は総じて1つの似たような解決策を生み出すと言われている。
 付加価値づくりから始まったこの4年間の間に、企業再生に向けて明確な計画を示す経営者の若返りが目立っている。それと同時に若い社員の活用術も変化している。印刷というモノづくりをいかに「価値づくりに結び付けるか」という考え方を、「価値づくりにモノづくりをどのように活用するか」という考え方へ、新しい経営者は視点を移している。目の前の事象に対して展開思考が出来るかどうか、残された道への可能性の仮説を建て実証していけるかどうか。創注産業をめざして新たなビジネスモデル創出を競い合う印刷業界では、小手先の戦略計画は通じない。「顧客にとっての価値」を見極め、自社の適合技術で終着点までの路線図を具現化していく力が求められている。
 スマホやSNS社会からもたらされる膨大な情報から、いかに適切な情報を取り出せるか。多くの社員の個性フィルターを通して必要な概念を選別できるか。一人のアンテナより複数の受信装置が、また明確な企業戦略と照合する検知装置としての複数の感性が大きな役割を持つことになる。積み重ねた技術と革新的な技術を持つために、社員を活かす組織作りが求められている。
 クライアントがインターネットを利用して販促活動を強化したいときに、システムを開発するIT技術者と印刷基原稿を共有してソフト価値を高める印刷企業。異業種との連携にルートを着けて、アイデア開発にヒントを見つける企業。異業種企業の技術や仲間の協力を得る努力も欠かせなくなっている。
 このためスマホやSNS社会に生きる若い世代の印刷人と、IT技術者などが来場できる交通の便利さ、情報交流に適した周囲の環境を配慮してマイドームを会場として選択した。新たな印刷業界の姿を、広く一般社会の人々に広報していくこともJP展の使命の一つと考えている。