JP展について

印刷業界の進化を促す「光と眼」

 蒸気機関による第1次産業革命、電気動力による第2次産業革命、コンピュータによるオートメーションの第3次産業革命に継ぐ、IoTによる第4次産業革命が今日のキーワードになっている。
 製品製造から組み立て販売まで、全ての現場を連結し透明化することで、意思決定が最適化され、高効率かつ柔軟な多品種少量生産を実現することを目指し、各産業が付加価値成長を遂げることで、高賃金で競争力が維持できる体制になることが目指されている。(ドイツのインダストリ4.0戦略から)
 印刷業界においても、各メーカーがこれまでに開発製品化した自動化機器の中で、組込用OSは使用されてきている。印刷企業が自ら手を付けるか、付けないか、そのどちらにしても産業界はコンピュータ制御を軸とした第4次産業革命に舵を切っている。インターネットがWebやメールなどで人間のコミュニケーション手段に無くてはならないものになっているのと同様に、機械と機械が連携するネットワークが印刷生産現場の中でなくてはならないものになり始めている。
 「種の起源」を表したチャールズ・ダーウインの生誕150周年が2009年に行われたのを契機に、あらゆる学問がそれぞれの分野での進化を論証する動きを強めている。「環境や条件に適応した生物だけが子孫を残し、適応できない生物は滅びる」とする著名な言葉は、印刷企業の在り方にも当てはまるのではないだろうか。それまで太陽の光を漠然と「明るい」「暗い」の2値で感知していた生物に、映像を認識できる「眼」ができたことで、5億4300万年前のカンブリア期における生物大進化が始まったことを「眼の誕生」としてアンドリュー・パーカー氏が発表して話題を呼んでいる。印刷業界の進化を進める「光と眼」を、どのように言い換えたらいいのだろうか。
 印刷業界100年の歴史の中でも、これほど激動の時を迎えたことはないのではなかろうか。5億4300万年前の三葉虫の世界に、すべての生物に一様に生きる権利を与えた太陽光、その中で生き残るために捕食し、種の継承のために雌雄を求め合い、またより強い相手から逃れるために、映像を認識できる「眼」を与えた自然界の不思議を、印刷業界に降り注ぐ膨大な量の情報を「太陽光」に、その情報量からいかにして必要な情報を取り出せるかという選択機能としての個々人の感性を「眼 として考えることは出来ないだろうか。
「光と眼」、「膨大な情報と選択眼としての感性」。この2つに共通する「事のありようの認識」をJP展は「情報の共有・Communication」を充当させている。機械と機械、機械と人、人と人、ありとあらゆる情報やデータを「つなぎ・つなげる」人間の感性とインターネットの世界を「ICTと印刷」の表記に込めている。
インターネット、各種のSNS情報など、今日の情報網をもう一度見直し、その中から偏りのない必要情報をキャッチする個々人の感性能力を集約する「組織機能」が生き残る条件の1つになるのではないだろうか。その意味でも感度の高いアンテナと正確なチュウニング装置となりうる社員がもつ役割に、経営者は強い関心を示し、それぞれの情報を一つの価値に形付ける組織形態、それを日常化する組織風土に育てていくことで「強い企業」を実現していくことが最も優先される時代になってきている。
 このためJP展は、経営者や技術担当者だけでなく、営業や業務分野の若い社員の方々が来場参加する場であることを念頭に設計されている。スマホを駆使しツイッターやラインで情報を交換し合い、変化する状況に強い若手社員は、この業界の中で、また営業先の世界で個人的にも多くのことを学んでいる。こうした個人的ではあるが幅広く学習している人々は、色々な場面での成功例や使いこなす技術を知っている。こうした人々の感性を活かし、彼らが取得する情報とその活かし方、新たに加えるべきアイデアなどを集約して、彼らが活躍できる場を造ることで社内組織を活性化していくことがこれまで以上に必要になってくる。