印刷産業が直面する課題を解決する
JP産業展協会(作道孝行会長)は3月24日、大阪市北区のプレミアホテルキャビン大阪で「JP2022・印刷DX展出展社説明会」を開催した。
同協会では現在、5月19日(木)・20日(金)の2日間、大阪市住之江区のインテックス大阪5号館を会場に「JP2022・印刷DX展」を開催する準備を進めている。
2017年から2020年までの4年間にわたり、「JP・ICTと印刷展」の名称で開催してきた同展示会は、2021年度からは「JP・印刷DX展」へと名称を変更された。
現在、印刷業界を取り巻く需要構造は電子メディアの台頭をはじめ、 天然資源の枯渇や環境対策における紙の削減などの影響を受け、 厳しい状況が続いている。加えて、新型コロナウイルスの感染拡大によって、人々の生活様式が大きく変わり、さらに苦境に追い込まれている状況にある。
そうした環境下にあって、今回の災禍を機に社会全般におけるDX(デジタルトランス フォーメーション)が急速に進むことが予測され、印刷産業も再編を促す可能性が出てきた。
近い将来、多くの日本企業では、既存のITシステムの老朽化・ブラックボックス化、そして業務の縦割りなどが進み、事業の拡大や企業の成長が大きく妨げられる問題「2025年の崖」に直面することが予測されている。これらの課題を回避するために、多くの企業がDXへの取り組みを始めているが、その恩恵を享受することは簡単ではない。
そうした状況を鑑み、大阪で毎年開催される印刷総合機材展であるJP展は、2021年より「印刷DX展」という名称を付加させ、印刷産業においてDXをどのように捉えれば良いのかを出展社と来場者の情報交換によって考察する場となるように展示会構成を変革した。
46回目の開催となる「JP2022・印刷DX展」は、“ワークフローの最適化が拓く新しい印刷様式”をテーマに掲げ、印刷産業が直面する課題を解決することを目指していく。
同時に、印刷技術を軸とした販売促進に有効なアイデア製品を紹介する「第4回販促アイデアグランプリ2022」を実施し、事業領域を拡大するための情報発信によって、競争上の優位性を確立させていくことを目指していく。
「JP2022・印刷DX展」開催概要
■名称=「JP2022・印刷DX展」
■開催テーマ=「ワークフローの最適化が拓く新しい印刷様式」
■会期=5月19日(木)・20日(金)、19日は午前10時~午後5時、20日は午前9時30分~午後4時
■会場=インテックス大阪5号館(大阪市住之江区南港北1ノ5ノ102)
■主催=JP産業展協会(大阪府印刷工業組合/近畿グラフィックコミュニケーションズ工業組合/大阪府グラフィックサービス協同組合/大阪府製本工業組合/近畿印刷産業機材協同組合/近畿印刷工業会で構成)
■後援=大阪府/大阪市/大阪商工会議所/大阪府中小企業団体中央会/全日本印刷工業組合連合会/日本製紙連合会/日本洋紙板紙卸商業組合/公益社団法人日本グラフィックデザイナー協会(以上、予定)
■協力=公益社団法人日本印刷技術協会/大阪印刷関連団体協議会/大阪府ものづくり振興協会/販促アイデア協議会(以上、予定)
「JP・印刷DX展」の目指すゴールイメージ
「印刷DX展」の名称に込められた想い
印刷産業を取り巻く厳しい変化に対し、新たな視点を採り入れる。デジタル技術の利用による供給過剰・低生産性からの脱却、新たな価値創造と生産効率の改革を目指す最新技術とソリューションを提供する。
全国をターゲットとした魅力ある展示会への脱却
新たな視点として「印刷DX」に焦点をあてることで、単なる印刷産業展から脱却し、テーマ特化型展示会へと移行する。
大阪ローカルの展示会から全国ターゲットへと、来場者にとって魅力ある展示会へと脱却を進める。
これらのゴールを2023年までに達成すべく企画運営を推し進めていく。
「JP2022・印刷DX展」における企画運営アプローチ
印刷DX展における企画運営目標
■主催者と主要出展社との協業の枠組みを形成する
展示会主要テーマの設定(印刷DX)に基づき、展示会全体としての一体企画、運営の足掛かりを作る。
メインテーマに賛同される出展社より、企画面での意見抽出の協力を得て、主催者を筆頭とした実行委員会形式での企画運営を目指す。
展示会場においては、各出展ブースにおける展示に加え、実行委員会を中心とした展示会全体としてテーマ集約型の展示、訴求を目指す。
来場者とのコミュニケーションを展示会全体として深めることで展示会開催意義を高めるとともに、来場者視点での企画策定を出展各社とともに進める。
「JP2022・印刷DX展」における全体企画
展示会(会場展示)
一般展示に加えて主催者主導(実行委員会テーマ)での展示を実施し、メインテーマである「印刷DX」の訴求を行う。
展示会場内の出展エリアを出展内容ごとに分類し、来場者の動線を設計することで、展示会場での出展内容を明確にアナウンスする。
セミナーと見学ツアー
基本的にメインテーマに沿ったタイトルとスピーカーにより構成するが、メーカー・印刷会社・顧客までをひとつのソリューションで括られた形とする。同時に来場者に見どころを紹介する見学ツアーも実施する。
「JP2022・印刷DX展」出展分類一覧
印刷DX連動展示
■管理系システム
MIS(経営情報システム)・生産管理・生産業務モニタリング・分析ツール(BIツール)ほか
■ソフトウェア系システム
プリプレスワークフロー・オンラインデータ入稿・オンライン校正・自動データ処理(バッチ化・面付・カラーマネジメント・出力)・デジタルマーケティングツール(MAなど)・バリアブル印刷データ生成ほか
■ハードウェア系システム
各種印刷システム/プリントシステム・各種加工システム・自動処理・検査装置・ロボティクス (AGVなど)・関連資材(各種材料/資材・プレート・色材)ほか
企画展示ゾーン
■産業用途印刷ビジネスゾーン
■販促アイディアグランプリゾーン
JP産業展協会 作道孝行会長
現在、JP産業展協会では5月19・20日の2日間、インテック大阪で「JP2022・印刷DX展」を開催する準備を鋭意進めています。
JP展の歴史を振り返ってみますと、今回で46回目の開催となります。「印刷総合機材展」として1回目が開催されて以来、時代の流れに即応する形で「印刷・情報産業展」・「JP・ICTと印刷展」へと名称を変更し、2021年からは「JP・印刷DX展」の名称に変更しました。
これまでは、機材を販売する展示会という位置付けでJP展は実施されてきました。成長期の時代であれば設備を導入すれば仕事も付いて来て売上も上がってくるという感じで設備投資ができましたが、バブル崩壊以降のデフレ経済の環境下では需給バランスが逆転し、設備投資に踏み切りにくい状況になってきました。
現在、印刷業界が直面している課題としては、適正な戦略のもとに設備投資をすることにありますが、これまで印刷業界では請け負いで仕事を行っているケースが多かったことから、自分たちで戦略を立てることを不得意としています。
しかし、世の中の流れが変化する中で何かを変えていかなければなりません。そのキーワードとして「DX(デジタルトランスフォーメーション)」が挙げられます。そこで、当協会では展示会の名称を昨年より「JP・印刷DX展」へと変更しました。
DXとは、いろんな意味で使われていますが、本来の意味は新しいことをやって、自分たちの優位性を確立していくということが到達点としてあります。
その優位性を出していくために、どのようすれば良いのかということが難しく、試行錯誤している現状にありますが、戦略を立てていくための方向性として、大きく分けるとふたつに分かれると思います。
ひとつは売りをどのように伸ばしていくかであり、もうひとつはコストを下げて利益を残していくことです。中小企業にとって取り組みやすいテーマとしては後者ではないかと考えると、デジタルやITを使って生産性を上げていくことが重要になってきます。
そうした機材やシステムを「JP2022・印刷DX展」で披露していただき、どのように活用していけば利益を残していけるのかを出展社と来場者が一緒になって考えていけば有意義な展示会になると思っています。
JP展を末永く継続していくためには、出展社の力も必要ですし、来場される皆さんも頑張っていかなければなりまん。皆さんで力を合わせて頑張っていきたいと考えています。
JP産業展協会 岡達也運営委員
印刷業界を取り巻く環境が大きく変化し続ける中にあって5月19日から2日間にわたって、「JP2022・印刷DX展」が開催されることに関西圏を中心とする印刷関連業界の期待が集まっています。
会期中は購買意欲の高い来場者や情報収集したいという印刷関連業者の来場が予測されており、「JP2022・印刷DX展」の開催を通じて未来が模索できる機会となってほしいと願っています。
作道体制で2年目を迎える「JP2022・印刷DX展」の開催を機に、JP展の新しい姿が見えて来た思われるように準備を進め、皆様にとって有意義な展示会になるように準備を進めていきます。