5月19日(木)・20日(金)にインテックス大阪で開催へ
5月19日(木)・20日(金)の2日間にわたり、大阪市住之江区のインテックス大阪5号館を会場に「JP2022・印刷DX展」が開催される。
今年は「ワークフローの最適化が拓く新しい印刷様式」をテーマに掲げ、会場では関連する機器・資材・サービスが出展各社から展示され、「次に起こる変化への対応策」に向けた最新情報が発信される。
会場では印刷関連機器ベンダーの出展だけでなく、「販促アイデアグランプリ2022」の併催を通じて印刷関連業者から販促活動に効果を発揮するアイデア製品も数多く披露されることに注目が集まっている。
出展内容は大別して①デジタル化・DX対応②差別化を実現するプリンター③検査装置④環境対策・作業環境改善⑤付加価値を創造する加工機⑥中古機買取⑦販促アイデアグランプリの7つに分類される。加えて、今年度は生産工程を自動化するためのロボットも出展される。
印刷関連技術のトレンド「デジタル化」
近年の印刷関連技術のトレンドを一言で表現すれば「デジタル化」という言葉に行き着く。プリプレスのデジタル化に始まり、デジタル印刷技術の普及、近年ではワークフローのデジタル化・自動化・省力化を実現するさまざまなソリューションが提案されている。
印刷物の小ロット化・多品種化が進む中で、ペーパーメディアをマーケティング施策のツールとして利用する機会が増加していること、さらにIoTやAI技術の普及、少子高齢化に伴う労働人口の減少など、外部環境の変化も印刷関連産業におけるデジタル化を後押しする要因となっているものと言える。
「JP2022・印刷DX展」の会場で披露されるデジタル化への対応製品・サービスでは、「見える化」による生産システムの可視化から最適化、デジタル印刷技術の利用、ワークフローオートメーションなどの自動化・効率化施策、さらには自動化のひとつのキーとして検査装置が挙げられる。
「特殊・特化」といった視点での情報発信
また、JP展には他の印刷機材展とは異なる大きな特長として、「販促アイデアグランプリ」を通じて数多くの印刷会社も出展していることがある。
出展する印刷会社の動向を見ると、各社ともに「何かに特化」した強みを持っている。
特殊分野では、特殊印刷や加工技術により、これまでにはない質感や表現を可能とし、新たな付加価値を生み出す製品、特殊素材への印刷によってペーパーメディア以外の新たな市場への印刷産業の拡大提案といった内容も数多く見られる。
また、特化分野では、技術面はもちろんのこと、そのビジネスの切り口や視点、コンセプトなど、出展各社それぞれの特長が訴求され、興味深い出展が多く見られる。
さらに、紙媒体の需要の減少や小ロット・多品種化の流れの中で、これまでの受託製造業から脱却し、そのビジネスの方向性や訴求方法を転換する時期にあり、「特殊・特化」といった視点での出展各社からの情報発信は大きなヒントになる。
サステナブル・SDGs・環境対応
また、多くの印刷関連機器・材料メーカー、印刷関連業に共通して注目されるのが「サステナブル・SDGs・環境対応」というテーマがある。
かねてより環境対応という観点から、企業の社会的責任という内容は印刷関連業においても議論がなされてきた。近年では、CSRレポートを年次発行することで、企業としての取り組みを開示する印刷会社も少なくない。
そうした流れは、2015年の国連総会で採択されたSDGs(Sustainable Development Goals・持続可能な開発目標)として、幅広い内容で世界的な潮流へと引き上げられ、国内のさまざまな分野、企業における取り組みへとつながっている。
また、SDGsの中には労働者を守るという視点も含まれている。印刷関連業を含む製造業においては、従業員の安全面や作業環境面への配慮も重要な要素となっている。
他方、新型コロナウイルスの感染拡大の中においては、マスクケース、抗菌・抗ウイルス適性を持つ印刷物の提供など、印刷関連業の製品開発に新たな方向性を見せてきた。社会を守り、持続可能性を高めるという見方では、これもひとつの社会的責任と考えることができる。
こうした課題への対応を図る手段が一堂に展示される「JP2022・印刷DX展」の開催に期待が集まっている。