現場の知恵を結集、数式組版をスマートに
株式会社太洋社(岐阜県本巣郡)は、創業から80年以上にわたり、学習参考書や辞書など、極めて高度な組版精度が求められる教育出版印刷の分野で実績を積み重ねてきた。
「JP2026・印刷DX展」では、長年の現場知見と最新のデジタル技術を融合させた自社開発ツールを主軸に、印刷業界全体の課題である「生産性の向上」と「技術承継」への回答を提示する。
今回、満を持して提案するのが、自社の制作現場の切実な課題から誕生したAdobe InDesign用数式組版プラグイン「Mathniques(マスニクス)」。
学参・教育書制作において数式組版は長年「聖域」とも呼べるほど手間のかかる工程であったが、「数式工程の煩雑さ」と「属人化」を、印刷会社自らが開発したツールによって解決する。
印刷現場の「痛み」から生まれたソリューション
従来のフローでは、数式をIllustratorなどの別ソフトで作成して画像データ(EPSやPDF)として保存し、それをInDesign上に配置するのが一般的となっている。
しかし、この手法では一文字の誤字修正であっても「ソフトの切り替え」「再保存」「再リンク」という煩雑な手順が発生する。この「工程の分断」こそが、リードタイムを増大させ、ミスを誘発する原因であると着目し、現場のDTPオペレーター自らが開発の仕様設計を主導し、「InDesignから一歩も出ずに、文字を打つ感覚で数式を組む」ことを目指して「Mathniques」を完成させた。
「Mathniques」が実現する3つの革新
1点目は、同製品の最大の特徴は、InDesign上で完結する「ダイレクト編集」にある。配置された数式は画像ではなく、文字(インライン)として扱われる。
そのため、前後の文章に修正が入りレイアウトが流動した際も数式が乱れることなく正確に追従する。この追従性の高さは、ページ数の多い学習参考書の制作において劇的な効率化をもたらす。
2点目は、数式記述方式である「TeX(テフ)準拠コマンド」の採用。キーボードからコマンドを入力するだけで、複雑な分数、根号(ルート)、行列、積分の記号などが瞬時に組み上がる。また、マウス操作に頼らない入力スタイルは、熟練オペレーターの作業スピードを極限まで引き出す。
3点目は、日本の教育出版に最適化された「美しさ」へのこだわりだ。同製品は、国内の教科書や学参で標準的に使用される「モリサワ数式フォント」に完全対応している。数式の美しさは学習の質にも直結するため、プロの編集者や著者が求める厳しい審美眼に応える仕上がりを、誰でも再現可能にした。
解決できる課題と導入メリット
▽教育系出版社へ
校了直前の急な数式修正は、これまでは「物理的に間に合わない」リスクを伴うものであった。「Mathniques」はその場で即時修正が可能なため、制作スケジュールの柔軟性を高め、最終的な外注コストの抑制にも寄与する。
▽数式を扱う印刷会社・制作プロダクションへ
高度な数式組版はこれまで「特定のベテランしかできない」という属人化が激しい領域だった。同ツールを導入することで、TeXの基本知識があれば経験の浅いスタッフでも高品質な組版が可能となり、人手不足時代における「技術の標準化」を支援する。
▽フリーランス・小規模事務所へ
1ライセンスから利用可能なサブスクリプション方式を採用。高価な専用システムを導入せずとも、プロ仕様の数式組版環境を手軽に構築できる。
ブースでは、実際の試験問題や参考書を想定した複雑な数式を組み上げるデモンストレーションを披露する。

株式会社太洋社
小間番号:5-32
501-0431 岐阜県本巣郡北方町北方148-1
電話 058-323-5100 FAX 058-320-1108
出展内容:Mathniques
